episode26 うつと休職 出勤最終日

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そんなこんなで休職プランの最終日を迎えた。

現在の持ちクレーム1件。

最後通告手紙を送っていた方ですが、なんと夕方先方から連絡があり

もうあきらめてやる、と完了!

もし、これでこのあと終業時間までクレームが発生せず0件で終了したら

休業作戦実行ということになる。

しかし、今までの例ではそんなことはありえない。

今日は金曜日。終業時間間際にクレームが入り20時くらいまでの対応が

必要となるのが落ちである。

 

・・・しかし

奇跡が起きた。その時間以降穏やかな電話が続き平和なまま終業時間を

迎え、終業の鐘、休業への鐘が鳴り響いたのだ。

 

終わった、本当に終わってしまった。

本当に休業していいのだろうか・・・

各方面に多大な迷惑がかかってしまうだろう。

 

・・・いやこんな奇跡が通常起きるはずはない。

これはしばらく休めということなのかもしれない。

 

トイレの個室に入った。

30分ほど目を閉じて思案を重ねた。

 

決めた!

25年突っ走ってきた。

今はもう心身ともに限界だ。

休め、と言われていると捉える!そう決めた!

 

小走りにデスクに戻りPC内のデータの整理、デスクの整理を始めた。

25年分の記憶が走馬灯のように頭を駆け巡る。

 

涙が出そうになる。

自分なりに頑張った。

会社へはできる限るの尽力をつくしたつもりだ。

もう休業へつきすすむしかない。

 

22時にすべてが片付いた。

終わった・・・

もう楽になるんだ・・・

 

紙袋1つに最低限必要なものだけまとまった。

フロアの灯かりを落とす。

フロアにお辞儀をする。

警備室へ退室の連絡を入れる。

 

いつものルーティーンであるがもしかしたら最後になるかも

しれないと思うと目頭があつくなった。

 

ビルを出る。振り返る。

他の階では灯かりが当然のようについており自分のいた階だけ

真っ暗で逆に浮かび上がっている。

もう一度お辞儀をする。

 

足取りが重いが最初の角を曲がると気のせいか軽くなった。

電車のなか。明日からの生活がどうなるのか。

想像もつかずただぼんやり夜景を眺めるだけだった。